収入が限られる個人の方が多額の資金を融資してもらうことは非常に難しいです。そこで個人で1,500万円を借りる方法について比較・検討していきます。
個人で1500万円借りる用途
個人で1,500万円前後のお金が必要な場合、用途はどんなものでしょうか?
高騰する高級腕時計を投資がてら購入したい、手頃な中古住宅・土地を購入して転売したい、フードデリバリーを始める資金、リフォーム資金など、目的は人それぞれでしょう。
また、貯金だけでは不足しがちな起業や投資を考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし法人や企業ではなく、個人が借りられる金額には上限があります。
個人が借りられるお金の上限・限度額
通常、個人でお金が借りられる上限は法律で決まっています。 それはいわゆる「総量規制」と呼ばれ、貸金業法という法律で定められているのです。
お金を借りられる上限:年収の1/3まで
例えば年収が200万円の人は66万円まで、年収が500万円の人は165万円までしかお金を借りることができません。
また、これは "総量" という言葉が表すように、1社だけでなく複数社からお金を借りた場合でもそれらの総額に対して適用されます。
ですので、年収500万円の人がA社から100万円を借りていたら、B社からは65万円までしか借りることができないのです。
不自由に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、このように上限が定められた背景には、過剰な貸付を行ったり多重債務を抱える問題がバブル崩壊後に深刻化したためです。
過剰な債務や多重債務を抱えた人は返済に苦しみ、大きく人生を狂わせることも少なく有りません。 こうしたケースを防ぐために2006年に制定されたのです。
総量規制があっても実際の限度額は低い
このように、個人がお金を借りる際には年収によって上限が左右されるということがわかりました。 しかし実際には1社から借りられるお金はこの金額よりも限られています。 それは各社が回収可能かどうか独自の基準を設けているからです。
クレジットカードのキャッシング
一般的な買い物の決済手段としてメジャーな存在であるクレジットカードには、キャッシング機能が付いています。
これはATMなどで現金を借りることができるサービスです。返済は通常のショッピングと同じように毎月の返済か、リボ払いが選べます。
借りられる上限はキャッシング枠の範囲となっており、一般的なカードであれば30~100万円程度になると思います。
しかしこの金額はショッピングで利用している額を差し引いた額になることに注意しましょう。
また、金利は実質年率15~18%と非常に高く設定されています。
カードローン
三井住友やSMBCモビット・アイフルなどTV-CMで名前を聞いた方も多いかと思います。
こうした貸金業者が取り扱うサービスが、「カードローン」と呼ばれるものです。
クレジットカードとは異なり、ATM等でお金を借りたり返済したりするためのカードが届くことから、カードローンと呼ばれています。
融資額は10~800万円ですが、一定額以上の借入には年収を証明する必要があります。
また、金利は1.5~15.0%とキャッシングと比べると低いですが、借りる額(融資額)によって金利は変動します。
例えば100万円未満の場合は12.0%~14.5%と高い金利が設定されています。
フリーローン
銀行・信金などでお金を借りられ、用途が限定されないのが「フリーローン」です。
融資額は10~500万円で、銀行で住宅ローンを組んでいると金利が安くなるサービスもあります。
金利は年6.0%~14.0%程度となっています。
しかし審査はこの中では最も厳しく、特に年収が低い方・無職・専業主婦・学生では利用することができません。
限度額を増やすには
このように個人で借りられるお金は、大きな枠組みで総量規制という年収1/3の壁があり、さらには貸金業者・銀行などの独自の審査により上限があるということが分かりました。
また、そういった条件をクリアしても上限は500~800万円で、1,500万円を借りることはできません。
ではどのようにしたら1,500万円という高額な金額を借りることができるでしょうか。
1.年収を高める
法律が定めるように、貸金業者・銀行の審査基準は「年収」によって決まります。 そのため、より稼いで年収を上げられば、融資額も増えます。
しかし、年収をあげるのは並大抵のことでは出来ませんし、そもそも年収を上げるための軍資金としてお金が欲しい、という方には無理筋といえるでしょう。
2.信用を上げる
一般的に、お金を借りてきちんと返済を行っていれば、貸金業者から「信用」を得ることができます。
例えばクレジットカードの利用限度額では、利用額も一定にあり、返済が滞りなければ、カード利用額(限度額)の上限を引き上げることができたり、よりグレードの高く利用額の多いカード(ゴールドカードやプラチナカード)のインビテーション(招待)を受けることができます。
同じ用にカードローンやフリーローンでもその貸金業者の利用が長く、返済に遅滞がなければ、信用がつき、融資額を増やすことができたり、金利を低くしたりすることができます。
しかし、こうした信用を得るためには5~10年単位でお金を借りて返済している必要があり、すぐに信用を得て条件を改善できるものではありません。
3.仕事をする・定職につく
無職や専業主婦の方は仕事に付くことで、審査のハードルをクリアすることができます。
しかし元々事情があってのことですから、職につくというのが容易ではないこともあるかと思います。
また、高齢で年金受給者ともなれば、つける仕事はかなり限られてきますし、就職できたところで得られる年収は限られていますから、結局目的に必要な金額を借りることはできません。
目的・用途が違えば高額融資ができる
消費者保護のためとはいえ、現在の日本では高額のお金を借りることは容易ではありません。
それでは万が一のため、まとまったお金を借りる際にはどのようにしたらよいでしょうか?
実は先述の総量規制の対象外になる、お金を借りる方法があるのです。
以下に掲げるのが、総量規制の対象を受けない内容になります。
総量規制の対象外(除外貸付)
住宅ローン
自動車ローン(マイカーローン)
医療ローン
株取引の貸し付け
売却する予定の不動産のための貸し付け(つなぎ融資)
不動産担保ローン
確かに、数千万円する住宅ローンや、数百万円の自動車ローンは、年収や職業は問われこそしますが、年収同等~6倍程度までローンを組むことが出来ます。それはこれらの用途に関しては総量規制の対象外となっているからです。
また、万が一の際の医療費・治療費など高額治療となった場合のローンも、この対象外となります。
FXなどでレバリッジと呼ばれる信用取引(残高に応じて自身の口座の金額の数倍の株取引ができる)も、この規制の対象外です。
さて、最後の「不動産担保ローン」。聞き馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
不動産担保ローンとは読んで字のごとく、"不動産を担保にしてお金を借りる方法" です。 この不動産担保ローンが、個人で高額のお金を借りる方法なのです。
担保があれば信用は獲得できる
ところでなぜ、住宅ローンや自動車ローンは年収の等倍~6倍ものお金を借りることができるのでしょうか?
それは金融機関や貸金業者が、その購入するもの(住宅や自動車)を担保にしてお金を貸しているから、です。
"担保"とは、お金を借りた人が万が一返済ができなくなった場合に差し出す現物資産のことです。
住宅ローンや自動車ローンでは、その購入した物自体が担保になることで、万が一返済ができなくなった際には、住宅や自動車を差し押さえ、現金化することで融資した金額を取り戻すことができるため、融資の条件が他のキャッシングやカードローンなどと比べてハードルが低く設定されているのです。
同様に、不動産を担保にしてお金を借りる不動産担保ローンでは、年収や職業といった基準よりも、担保にする不動産の価値によって融資できる金額が決まるため、他のお金を借りる方法よりも相対的に審査が緩く、高額のお金を借りることができるのです。
自分名義以外の不動産も担保にできる
「不動産」というと、しっかりとした土地や建物を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
そうなると自分には担保にできる不動産がない…と諦めないでください。
実は担保にできる不動産は、土地や戸建住宅だけでなく、マンションや法人名義のビル・土地でも可能です。
また、自分ではなく親や親戚がもっている不動産でも、担保にすることができます。 担保にした不動産は当然、返済中でもそのまま住むことができますので、しっかり返済していればなんの問題もありません。
なお万が一返済が滞った場合には担保とした不動産を売却して返済に充てることになりますので、返済がしっかり行える範囲で利用しましょう。
不動産担保ローンの特徴
このように個人が1,500万円以上の高額のお金を借りる方法として魅力的な不動産担保ローンですが、それ以
外にもいくつかメリットがあります。
1.融資条件が低め
不動産を担保にしてお金を借りるため、本人の年収・所得や職業などの融資条件は他の借入方法(カードローンやフリーローン等)よりも低くなります。
また、土地の価格は国が価値を証明する制度(路線価)があることから、"国がその不動産の価値を保証している"という信用を持っていると言えるのです。
2.金利が低め
不動産担保ローンの金利は、年7.0~15.0%と高額な融資の割に低めに抑えられています。
土地の価格は突発的に下がることはほぼなく、回収リスクが低いことから、総じて金利も低く抑えられるのです。
これも"土地の信用"がなせる技と言えるかもしれません。
3.融資実行までの日数が短い
さすがにキャッシングやカードローンのように即日融資とはなりませんが、数千万円単位のお金を銀行から借りようとした場合には、書類や審査で1ヶ月近くかかったりします。
一方で不動産担保ローンは必要な書類が揃っていれば最短翌日には高額の融資を実行できるケースもあり、概ね3~5日程度では融資実行されるスピード力が魅力です。
4.返済期間も自由度が高い
不動産を担保にした高額な借入ということで長期の返済を考えられる方も多いかもしれません。
すぐにお金が必要で一時的なつなぎとして利用される方もいらっしゃるかと思います。不動産担保ローンでは2ケ月~150ケ月(2回~150回)と返済期間も自由度が高く設定されています。
お金を借りる方法比較
サービス名キャッシングカードローンフリーローン不動産担保ローン融資可能額30~100万円10~800万円10~500万円50万円~2億円実質金利年15~18%年1.5~15.0%年6.0%~14.0%年7.0~15.0%審査緩め普通厳しい緩め総量規制対象対象対象対象外融資スピード当日当日1週間~1ヶ月翌日~3日程度
不動産担保ローンの借り方
では不動産担保ローンでお金を借りるには、どんな流れになるでしょうか。
1.申込方法
各社のホームページから、電話・申込フォーム(メール)などで問合せをしましょう。
必要事項には正確に答えられるよう、事前に不動産の情報(登記簿)やご自身の状況などをまとめておくと良いでしょう。
2.審査
貸金業者が、担保となる土地の調査を行います。できるだけ高い評価を出せる業者を選ぶことが、借りられる限度額や金利などの条件を良くするポイントです。その土地の事情に詳しい業者や、不動産を専門に行っている業者を選ぶと良いでしょう。
3.融資実行
審査が降りると、融資額が決定します。問題がなければ申込用紙や必要書類を揃えば契約成立。 最短で契約当日にお金が指定の口座へ振り込まれます。
不動産担保ローンのおすすめ会社
不動産担保ローンを利用する際、「不動産に特化した専門の貸金業者」を選び、必要な書類が揃っていれば、驚くほど早く融資が実行されます。
一方で銀行系や大手ノンバンクでは、審査基準が厳しく融資実行までに時間がかかるケースも。
こちらに各地域の不動産担保ローン業者をまとめましたので、ぜひご覧ください。
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