
不動産を担保にお金を借りること(=不動産担保ローン)をお考えの方は、銀行以外の金融業者=ノンバンクも選択肢に入れるべきでしょう。 このページではノンバンクで不動産担保ローンを利用するメリットや注意点、おすすめ業者をまとめていきます。
ノンバンクとは

「ノンバンク」とは英語で "non-bank" と表記されるように、"銀行以外でお金を貸してくれる、法令に沿った企業・法人" のことを指します。
ノンバンクでは融資する額や対象者(個人/法人等)によって、「カードローン(消費者金融)」「サラ金」「ビジネスローン」など、様々な呼び名・サービスがあります。
いずれも銀行のようにお金を預けることはできず、お金を貸すことを専門として取り扱っているのが、「ノンバンク」です。
ノンバンクと銀行系の違い
先述のとおり、お金を預かることなく「貸すことに特化」しているノンバンクですが、適用される法律や登録している団体もノンバンクと銀行では異なってきます。
いずれも法律に沿って運営されており、それらを適切に運営・管理することを目的とした協会に登録しています。そのため銀行ではないからと言って"ノンバンク=怪しい"ということは決してありません。
また銀行では融資の際の審査は保証会社が行うことが多いのですが、ノンバンクでは独自の審査基準に沿って判断しています。
実は銀行が利用している保証会社がノンバンクも運営している企業、というケースもあります。

滋賀銀行の不動産担保ローンは、保証会社としてノンバンクであるセゾンファンデックスを指定しています。
このように、「ノンバンクあやしい」「ノンバンクは危ない」というイメージは誤りです。
ノンバンクへの規制

先述のとおり法律に沿って運営・各都道府県に登録の上、業者同士の協会にも登録しているノンバンク。
かつては独自の審査基準で融資するが故に過大な貸付を行い、サラ金を中心に不当な取り立てやトラブルが相次いだことからあまり良く無い印象を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし現在は融資にあたっては様々な法令により規制が設けられ、安心して利用できるようになっています。
そんなノンバンクへの規制で、もっとも大きな制限となったのが2006年に公布された、いわゆる「総量規制」です。
総量規制とは、個人で借りられる金額に制限を設ける規制で、原則年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います。
一方で法人や個人事業主はこの制限を受けません。(ビジネスローン)
こういった制限・規制も含め、融資にあたっては返済が可能かどうか各ノンバンクが独自の審査基準で審査を行うことになります。
ノンバンクで不動産担保ローンを利用するメリット

不動産担保ローンでは比較的高額の融資を受けられることから、法人や個人事業主の方が利用することが多いかと思います。そこでノンバンクで不動産担保ローンを利用するメリットとして、大きく2つ挙げられます。
1.融資の審査が独自の基準である
一つ目のメリットとして、融資の審査が各金融業者によって独自であることが挙げられます。
一般的な金融業ではいわゆる「スコアリングシステム」と言われる、過去の業績や借入などの信用情報を数値化し、それを元に借入条件などを算出しています。
しかし不動産担保ローンでは、担保となる土地の評価が融資実行において非常に大きな要因となります。
さらに地域に根付いた業者は、いわゆる路線価だけではない正しい土地の価値を判断する為、融資を良い条件で受けやすくなります。
また、抵当権が設定されている土地であっても融資を受けられる場合もあります。
2.融資実行までのスピードが速いこと
二つ目のメリットは、融資までのスピードです。
銀行では多くの書類と保証会社による厳格な審査が行われるため、かなりの日数を要し2週間〜1ヶ月程度必要とします。
一方でノンバンクは問合せした当日中に審査を開始し、最短2営業日後には融資実行という圧倒的なスピードです。
3.提出資料が比較的少ないこと
お金を手配する方法として、政府の給付金や助成金をお考えになる方もいらっしゃると思います。
しかし申請には時には膨大とも思える申請書類を用意する必要があり、内容によっては素人では手続きが困難な為、行政書士に依頼する必要があることも。
また、なんとか書類を揃えて提出しても、審査や振込実行までに相当の期間を要することが多々あります。
そもそも前金で払って後から補填されるといったタイプの助成金は、手元の資金がない状態では利用することができないこともあるでしょう。
一方でノンバンクの審査は提出する書類が少ない傾向にあります。
例)ノンバンクで不動産担保ローンを利用する際に必要な書類
印鑑証明
住民票
身分証明書
決算書・確定申告書
実印
ほとんどの書類は法人や個人事業主であれば持っているはずのものばかりですので、容易に入手できるはずです。そのためお問合せから必要な書類が揃うのも早いため、審査・融資実行までスピーディーに進むのです。
ノンバンクで不動産担保ローンを利用する注意点

このように大変便利でメリットばかりに思えるノンバンクを利用した不動産担保ローン。 しかし注意しておく点=デメリットもあります。
1.金利が高い
まずはノンバンクは銀行系に対して金利が高い傾向がある、ということです。
銀行系金利3.0%〜5.8%ノンバンク金利7.0%〜15.0%
銀行系と単純に比較してしまうと高い金利になっている点は注意が必要です。
なお金利は低いほど良いでしょうが、審査の柔軟さや融資までの実行スピードなど、様々な条件を総合的に検討する必要があるかと思います。
2.適法に運営している業者を選ぶ
不動産担保ローンで低金利や条件が緩い業者には警戒が必要です。
利用する際は適法に運営されているかどうか必ず確認をしましょう。
表面金利が低く、融資条件が緩い業者では前述の貸金業の登録がない業者も存在します。
法令で貸金業法 第三条第一項により、貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。 参考)貸金業法 - e-gov法令検索(外部サイト)
と定められており、登録のない業者は違法業者です。
こうした業者を見分ける方法の一つとして、
各都道府県の貸金業登録番号
日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」の問い合わせ先
この2点を正規で営業しているノンバンクは必ずサイト上に表記しています。

これら2点の記載のないサイトや業者からノンバンクで不動産担保ローンを利用することは絶対に避けるようにしましょう。
ノンバンクを利用した不動産担保ローンの用途

ノンバンクでは利用用途も銀行よりも自由度が高いことが多いようです。
実際にノンバンクで不動産担保ローンを利用した際の主な利用用途としては、
不動産投資のつなぎ融資
会社が事業の運転資金
急な投資資金
などが挙げられています。
前述のとおり、政府や行政機関からの融資や助成金は非常に時間がかかることが多く、助成金の中には先に支払って後から助成金を受け取るタイプもある上、不動産投資業者はその業態からそもそも利用できるものが非常に限られるのが現実です。
不動産投資業(個人事業主による不動産転売も含む)や、限られた運転資金の中で急なトラブルによる出費に見舞われた中小零細企業にとっては大変便利なサービスと言えます。
不動産担保ローン おすすめ業者
法人や個人事業主向けに、事業や不動産投資で融資を受けられるおすすめの不動産担保ローンのノンバンク業者はこちらです。
日本モーゲージ

日本モーゲージは大阪の天王寺に本社を構える不動産担保ローンのノンバンクです。
貸金業にありがちな押し付け感や営業感はなく、親近感のもてる自然なホームページが印象的です。
いかにも「お金を貸します!」というアピールの強い会社が多い中、大阪・天王寺の下町の御用聞きのような親しみやすい雰囲気が伝わるサイトから親身になって相談に乗ってくれそうな雰囲気を感じるかと思います。
こちらも創業は平成20年と比較的新しい法人ですが、もともと別の貸金業者から独立して設立されており、歴史自体は長い会社です。
融資金額 | 50万円〜2億円 |
実質金利 | 7.0%〜15% |
返済期間 | 2ヶ月〜12年 |
対象エリア | 全国 |
ウェブサイト |
セゾンファンデックス

大手セゾン系の個人ローン・不動産担保ローンを提供する金融業者です。 本社は東京で、全国に支店も展開。もちろん全国の物件を対象としており、融資を受けることはできます。
融資金額 | 100万円〜3億円 |
実質金利 | 2.65%〜9.9% |
返済期間 | 最大25年 |
対象エリア | 全国 |
ウェブサイト |
三井トラスト・ローン&ファイナンス

三井住友信託銀行グループとして不動産担保ローンを取り扱うのが、三井住友トラスト・ローン&ファイナンス(三井住友トラストL&F)です。大手銀行系だけあり、商品も豊富に取り扱っています。 事業系に強い印象で、強い資産を持っている事業者には非常に使い勝手が良いでしょう。
融資金額 | 300万円~10億円 |
実質金利 | 2.9%~7.4% |
返済期間 | 最大35年(420回) |
対象エリア | 全国 |
ウェブサイト |
アサックス

首都圏に8店舗展開し、東証一部上場・1969年創業と安心・信頼で選ぶなら外せないのがアサックスです。 年間1,000件以上の融資を行い最短3日で融資を実行するスピード力など、魅力的なサービス力を提供しています。
融資金額 | 300万円~10億円 |
実質金利 | 1.95%~5.90% |
返済期間 | 3ヶ月〜30年 |
対象エリア | 首都圏 |
ウェブサイト |
ジェイ・エフ・シー

こちらも東京に本社を構え、不動産担保ローンを専門に取り扱うジェイ・エフ・シー。 全国の物件を担保の対象として不動産担保ローンを取り扱っています。
事業者・法人だけでなく個人向けの商品も取り扱っています。
融資金額 | 300万円~5億円 |
実質金利 | 5.86%~15.0% |
返済期間 | 3ヶ月~10年 |
対象エリア | 全国 |
ウェブサイト |
ノンバンクを上手に活用しよう
いかがでしたでしょうか。ノンバンクも法律や協会などで適切に運営されており、安心して利用できることができることがお分かりいただけたかと思います。
自分のニーズや条件に合った業者を探してみてください。
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